今日は、こんにゃくの色の違いについて、調べてみました。
ある時、ラジオでこんにゃくにある黒い点は、砂利だから取り除くように学校でいわれたという、エピソードを耳にしました。
砂利ではないことは、分かりましたが、改めて考えるとこんにゃくについてよく知らなかったので、今回調べてみました。
こんにゃくって、どんな食べ物
こんにゃくは、「こんにゃく芋」という芋を加工してできます。
こんにゃく芋自体を食べる機会って、ありませんよね。
これには、理由があります。
こんにゃく芋には、「シュウ酸カルシウム」という劇物が含まれています。
こんにゃく芋は、断面に触るだけで、猛烈なかゆみや痛みを生じるそうです。
芋自体を直接食べることができないので、様々な工程を経ることで、スーパーで売っているこんにゃくの形になります。
こんにゃく芋の生産地
日本では、ほとんどが北関東で生産されています。
北関東というより、ほぼ群馬県です。
なぜ、群馬県での栽培が、こんなに盛んなのでしょうか。
群馬県で栽培が盛んな理由
1. 品種改良による成果
こんにゃく芋は、植えてから栽培まで3~4年もかかる植物です。
ただし、非常に病気や風害・冷害に弱い植物だそうです。
冬には、一度掘り出し、あたたかいところで保存をするそうです。
その後、春に再び植え直し、次の冬にまた掘り出すとのことです。
掘り出されたり、埋められたり、それはそれでストレスがかかりそうですね。
そんなこんにゃく芋の品種改良に成功したのが、群馬県なのです。
従来のものより、病気や寒さに強く、収穫も早くできるようにしたそうです。
栽培に適した土壌
こんにゃく芋の栽培に適した土壌が、群馬県にある!
群馬県内の主産地である赤城山の周辺の傾斜面や火山灰の土壌が、こんにゃく芋の栽培にとても適しているようです。
群馬県は、より栽培しやすい、こんにゃく芋の品種改良に成功しました。
そして、群馬県には、こんにゃく芋が栽培しやすい土地があったということです。
この2点が、群馬県の圧倒的なこんにゃく芋の栽培量に繋がったということです。
こんにゃくの作り方
- こんにゃく芋を細かく、すりおろす
- どろどろになった芋を、温めながら混ぜる
- 水酸化カルシウムを、加えてさらに混ぜる
- 材料を型に流し込み、お湯の中に通して形を整える
- こんにゃくを、指定の大きさに切りそろえる
- 冷やして、保存する
日本では、この方法で、江戸時代にはこんにゃくが作られていました。
これが、昔ながらのこんにゃくの作り方です。
工程が複雑です。
はじめに、こんにゃくの作り方を発見した人は、どうやって見つけたんでしょうか。
水酸化カルシウムを、混ぜ込むことで、こんにゃく芋の刺激が中和され、かつ固まります。
こんにゃくの色の違い
今回の記事の本題です。
スーパーで売っているこんにゃくです。
白いものと、灰色(黒い斑点がある)ものが一般的かと思います。
この2種類の違いを調べたいというのが、今回の出発点でした。
白色のこんにゃく
現代、こんにゃくの製造は、機械で全自動で行われるそうです。
機械で製造する際は、こんにゃくをすりおろすのではなく、精粉(せいこ)というこんにゃく芋から作った粉を利用します。
この精粉が、真っ白なため、白いこんにゃくができます。
昔ながらの製法(こんにゃく芋をすりおろす方法)では、こんにゃく芋の皮などが混入するため、色がついたこんにゃくが出来上がります。
白いこんにゃくは、現代になってから、登場したこんにゃくです。
灰色(黒い斑点)のこんにゃく
ラジオで、砂利が混じっていると、言っていた方のこんにゃくです。
先ほど、こんにゃく芋をすりおろすと、色がつくと言いました。
このこんにゃくは、その方法とは、違う方法で作られます。
白いこんにゃくは、機械でこんにゃくが作られるようになってから、スーパー等で売られるようになったこんにゃくです。
白いこんにゃくは、昔ながらの製法で作られるこんにゃくに慣れていた人にとって、見慣れず、あまり買いたいと思うものではなかったようです。
特に関西でこの傾向が大きかったとのこと。
そこで、機械でこんにゃくを作る時に、わざとアラメやヒジキなどの海藻の粉末を混ぜて色を付けています。
あの色と、黒い斑点は、海藻の粉末によるものなんですね。
白いこんにゃくに、わざと色をつけて作られています。
おまけ
ヨーロッパでは、ダイエット志向の高まりで、こんにゃくをパスタの代用品として使用することがあるそうです。
確かに、低カロリーかつ食物繊維が豊富なので、ダイエット向きですね。
参考文献、サイト
日本こんにゃく協会という団体のホームページです。
三重県のこんにゃくを製造している会社です。
オンラインで商品を買うこともできます。